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早朝の恐怖

朝からとても怖い思いをした
普通のマンションの 長方形の間取り図を想像してください
我が家は 玄関から真っすぐリビングに向かって廊下があり
その両側に それぞれの部屋や キッチンなどがある

朝 彼を見送り 暫くしてトイレに入った
廊下を挟んで トイレの反対側には洗面所があり
トイレのドアには 上に小さなすりガラスの窓と 
下の方には風抜けがあり 内側から廊下が見える
その風抜けの隙間から 廊下に差し込む洗面所の明かりが漏れていた
何故か気になってその光を見ていると ふいにその光の幅が変った
洗面所のドアが 開けられたという事だ
見ているとその光は 更に広がっていく
まるでこちらの様子をうかがうかの様に ゆっくりと音も立てずに
その光の幅は 変化していった

一体誰がドアを開けているのだろう
私以外に 起きている者は誰も居ない
廊下を 音も立てずに洗面所に入り ドアを開けた誰かがいる
その得体も知れない誰かが 廊下を挟んだ向こう側にいる
廊下にその影がないという事は 洗面所の中にいるのだ
私は息を殺して じっと様子をうかがった
もしかしたら向こうも こちらの様子を窺っているのかもしれない
私は動揺した
もし今 向こうが動き出す事があっても 今の私には成す術もない
とにかく 一刻も早くこの不利な状況から 抜け出さなければ・・・
そう思うと尚更焦り 心なしかさっきより心臓の動きが早くなった

時間はまだ早い  外は薄暗く静まり返っていた
聞こえてくる音と言えば 時折表通りを勢いよく走っていく車の音と
リビングから僅かにもれる テレビの音だけだった

光の幅はドアいっぱいまで広げたまま それ以上の変化はなかった
もしかしたら気のせいかもしれないと 無理に思い込み トイレを出ようとした時
いきなり大きな音をたてて 洗面所のドアが閉まった

先日のドラッグストアの女性の声   家の中で時々感じる人の気配
それらの不気味な出来事が一気につながり
今 ドアの向こうにいる 邪悪な気配と共に私の身体を硬直させた

私は 見かけに寄らず臆病である事は 自分でも良く承知していた
このままトイレに立てこもっていた方が 安全なのか
それとも 一気に廊下に出て 
その邪悪な気配の正体を 認識してしまった方が楽なのか
考えてみたが 結論はでない どうやら大脳まで硬直してしまった様だ

思わずふっと溜息が漏れた
次の瞬間思い立った様に ドアノブを掴んだ

臆病者の行為は 端から見ると実に滑稽である
私は わざと勢いよくドアを開け 僅かに口から「わっ!」と
まるで相手を威嚇するかのような 声を出していた
だが 廊下に出て 何かの気配を感じる暇もなく
今度は寝室のドアが 再び大きな音をたてて閉まった
私は呆然としてしまった
これ以上どうしていいのか解らなかった
いや 何もする事はなかったのだろう
何故なら 寝室のドアが閉まった瞬間 全ての謎が解けたのだから

寝室は北側に位置し その部屋の唯一の窓からは
冬になると冷たい風が 家中に吹き込んできて
勢い余った北風が 開け放したドアに 悪さをする事がある
戸留めにフックを掛けておけばいいのだが 横着をしてそのままにしていると
時折 北風に驚かされる事があるblame2
そんな北風のいたずらを 何かの気配と勘違いする私は
相当な臆病者だと 更に認識を深めた
だが冷静になって考えると 
臆病者とか そういう類の言葉で片付けるのは
少し危険かもしれない
こんな馬鹿げた話を 家族にしても
一笑されるに決まっているが あの想像力は只者ではない

もしかしたら 私の脳みそか性格は 
要介護の認定を受けた方がいいのかもしれない

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